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世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL180 江田島孔明

「米軍からカエサルや源頼朝は出てくるのか?」この、前々号で提起した問題について、更に検討をしてみたい。

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まず、議論の前提として、文民統制と訳される「シビリアン・コントロール」について、考えてみたい。

文民統制(シビリアン・コントロール)は、一般的に政治が軍事を統制すること或いは政治の軍事に対する優位を定めた制度を指し、その本旨は国家が保有する軍事力或いはその武力組織である軍隊を国を代表する政治がしっかり管理し、必要な場合これをコントロールして合理的かつ適切に行使することにある。

日本においても第2次世界大戦の反省から、その概念や思想が国の政治や行政システムに組み込まれ、自衛隊はその統制下に置かれている。即ち、第2次世界大戦後に制定され、1946年11月に公布された現在の憲法では、内閣総理大臣はじめ国務大臣は「文民」でなければならないとされている。

そして「文民」の解釈については、政府の国会答弁によると、

「①旧陸海軍の職業軍人の経歴を有する者で、軍国主義思想に深く染まっていると考えられる者、②自衛官の職にある者、以外の者を言う」(昭48.12.7.衆議院予算委員会理事会)となっている。また我が国におけるシビリアン・コントロールの現状認識については、同じく「①内閣総理大臣及び国務大臣は憲法上すべて文民でなければならないこと、②国防に関する重要事項については国防会議の議を経ること、③国防組織である自衛隊も法律、予算等について国会の民主的コントロールの下に置かれていることにより、その原則は貫かれている」とされている。(昭55.10.14.衆議院)

 政治を実行に移す行政の分野においても行政府の長(大臣)に対する官僚による補佐機能も間接的にはこれに関わりをもつと一般に理解されている。
 防衛庁の場合、現行法制上(防衛庁設置法・自衛隊法)文民である防衛庁長官を庁の所掌事務に関して直接補佐するのは、文民の参事官である官房長や局長であり、自衛官の最上位にあって統合幕僚会議の会務総理を職責とする統合幕僚会議議長(将)はもとより、陸海空各自衛隊の実質的な最高責任者である幕僚長(陸・海・空将)も、それぞれが所掌する自衛隊の隊務に関する最高の助言者として長官を補佐することになっているものの、官房長等に課せられているような防衛庁の所掌事務全般に関して長官を補佐する立場には置かれていない。

 つまり日本の場合は諸外国とは異なって政治家の下に軍人が配置されるのではなく、間に文民官僚等で構成する「内局」が存在し防衛に関する政策、装備、人事、経理などを担当している。
 作戦運用等軍事専門事項を文民官僚が直接補佐する事に関して問題視するむきもある。

 このシビリアン・コントロールの淵源は、古代共和制ローマの最高意思決定機関である元老院である。元老院(senatus)は古代ローマの議会。貴族より選出される議員から成り、その身分は終身かつ世襲であった。定員は当初300人だったが、カエサルの時代に900人に増やされ、更にアウグストゥスの時代に600人になった。
 共和政時代には実権を握っていたが、前27年の帝政移行後も存続したが、次第にその権限は縮小され、正当な皇帝を承認する機関へ、そして皇帝の諮問機関へと、段階的にその性格を変えていった。それでも「元老院」という名称の機関自体は1453年の東ローマ帝国滅亡まで存続した。

 この元老院の統治の根幹は「将軍の任命権」を握っていたことにある。
 つまり、日本の律令政治と同じように、トーガを纏った元老院議員が軍服を纏った軍人を任命していたのだ。

 言うまでもないが、日本においても武家の棟梁たる征夷大将軍は四位であり、昇殿すら許されなかった。
 この点、カエサル以前のローマの将軍と同じような「卑しい」身分だ。

 では、元老院が実権を失い、ローマが帝政へと移行したのは何故か?
 よく言われるように、ローマに「皇帝」など存在したためしはない。
 ただ「元老院議員の筆頭が軍事指導者を兼ねた状態」すなわち、カエサルが前例となった、「軍人がそのまま元老院議員となり、軍事力で元老院を意のままに支配する」状態とその状態の「相続」を後世の歴史家が「ローマ帝国」と呼んだに過ぎないのだ。

 その意味で、カエサルが軍装のままルビコンを渡ったのは、象徴的なことだ。
 日本で言えば、鎌倉幕府の成立により、朝廷が形骸化したのと同じだ。

<参考>
http://www.h7.dion.ne.jp/~sankon/2ch/history/s01/1309.htm
 ガイウス・マリウスの甥として生まれ、その副将キンナの娘を妻に娶って明確な民衆派として認識される。
 スッラの「処罰者名簿」に記載され殺されかけるが、穏健民衆派のみならず主流元老院派も加わった嘆願によって救われる。
 その嘆願をしぶしぶ聴いたスッラをして、「あの若者の中には百人のマリウスがいるのだから」と言わしめる。
 しかしその後も逆らい続けた事でスッラの逆鱗に触れ、小アジアまで逃げ延びる。
 そこで軍務を開始、20歳で市民冠の栄誉を得ている。

 帰国後は弁護士業を開業するも不振。
 弁論で身を立てるのを断念した後は、宣撫官を経て政界入り。
 それ以降は、一貫して元老院に「元老院最終勧告」などの非常時権限はないと主張し、反元老院派である事を明確にする。

 その後、停滞する政治状況打破のためにポンペイウス、クラッススと共謀し、三頭政治の密約を結ぶ。
 500年近くもの間、平民派と貴族派の抗争の種になっていた「農地法」の改正は、三頭政治の威力が発揮された最大の例である。

 その後、ガリア地域への派遣軍の指揮官としてガリア・ゲルマン諸族と戦い、激闘の末にガリアを平定。
 ガリアでの戦闘状況を自ら速記した報告書とも言える「ガリア戦記」は、現代も一級資料であるばかりでなく文学作品として読み継がれている。
 戻って後も元老院派との暗闘を続けるが、鞍替えしたポンペイウスを擁する元老院派の「元老院最終勧告」によって反逆者にされてしまう。

 自らが信じる政治改革遂行と汚された名誉回復のため、ついに国法を破って軍と共にルビコン川を渡り元老院派に奇襲を掛ける。
 元老院派との死闘も長く続くが、ついにファルサロスの戦いでポンペイウス率いるローマ軍を撃破。返す刀でポンペイウスを殺したエジプトとローマに対抗しようとしたポントスを征伐して後帰国。
 その後は終身独裁官としてローマの構造改革を大胆に推し進める。
 が、その態度が王政に繋がると考えた者たちによって危険視されてしまう。

 結局、パルティア討伐問題を決定する元老院会議の会場であるポンペイウス劇場の大回廊で、暗殺者24人の乱刃に殺される。
 B.C.44年3月15日のこと。
 彼が息を引き取った場所は、ポンペイウスの立像の足元であったと伝えられる。

 カエサルの逸話は多い。

 ごく若い頃から裸馬に乗るのが得意で、長じてはゲルマン騎兵にも負けない乗馬の名人であった逸話。
 キリキア海賊が自分に付けた値段を不服として吊り上げさせ、身の安全と虚栄心を同時に満たした逸話。

 伝説的な記憶力(自分の部下一兵卒に至るまでの特徴を記憶していたといわれる)の逸話。
 これまた伝説的な読書量と服飾への金の掛け方、その結果としての莫大な借金の逸話。
 凄まじいほどの女たらしであったという逸話(その付き合いを旦那たちでさえ知っていたというのだから、秘密ですらない)。 一体どういう教育を受ければこういう人格が生まれるのか、大変興味深い。

 中でも自分がカエサルについて興味深いと思った事が、三つある。

 一つ、カエサルは常に人を使う立場にあったのだが、唯一カエサルの上司であった人物が存在する。
 ミヌチウスという人物で、スッラの副将の一人として名を上げた親分肌の人物であるらしい。
 カエサルが小アジアに逃れた後、スッラ派も明らかなこの人の前に大胆に顔を出し、軍務に就いたものだという。
 後のカエサルに多大な影響を与えたに違いないこの人物は、カエサルをどう扱ったか、どう陣中で教育したか、大変に興味深い。

 もう一つは、カエサルの軍隊の動かし方である。
 実は、カエサルの軍隊の動かし方は、大変基本的な分野で抜けている時がままある。
 カエサルは、史上自分が指揮した戦闘で2敗をレコードに刻んでいる。
 一回目はヴェルギンゲトリクスの部族の都であるゲルゴヴィア攻略戦。
 二回目はポンペイウスの陣地であったドゥラキウム攻略戦。

 いずれも、兵力を分割した後臨んだ攻撃側としての戦いであった。
 恐らくだがカエサルは、自分の指揮する軍隊の質に対する過信があったのではないかと思われる。
 しかし、いずれに対してもその直後の勝ち誇る敵との戦いで(アレシアとファルサロス)決定的に勝利している。
 そこから察するに、カエサルは相手の心理を掴んで戦うタイプの将軍であったことがうかがえる。
 カエサルは緻密な戦術を創案して勝つ人ではなかった。
 これでは、戦績から理論を拾う術がない。
 カエサルが、後世の戦史研究家を大変困らせた所以である。

 最後の一つは、カエサルが死ぬ瞬間に去来した思いである。
 あまりにも有名なカエサルの最期の言葉は、「ブルータス、お前もか」であった。
 事毎に「青年ブルータス」と呼ばれ、遺言状でも第二相続人としてその才を買われていたデキウス・ブルータスのことであるという。
 (第一相続人が、史上有名なオクタヴィアヌス…アウグストゥス…である)
 果たして、自分が第二に信じた人物がそういう愚行をした後のカエサルは、第一に信じたオクタヴィアヌスを信じられたであろうか?
 カエサルは、その後のローマが存続する事を死の瞬間に信じられたのだろうか。
 非常に興味深い。



 カエサルと源頼朝には、共通点がある。
 かたやガリア戦役で、かたや、平家打倒で、それぞれ、「戦功」を上げたということだ。
 つまり、「軍事的勝利」がそれ以前の、血縁的な生まれによる血脈支配のエトスを壊したのだ。
 簡単に言えば、「強いやつが政権を握る」前例となったのだ。

 この後、ローマは不断の対外戦争と内乱の時代に突入する。

 すなわち、戦国時代だ。

 日本においても、武家政権は安土桃山時代にいたるまで継続し、戦乱が絶えることはなくなった。(日本においては、江戸時代において、武士のサラリーマン化が図られたため、戦乱がなくなったことは特筆すべきだが。)
 すなわち、軍人政権というものは、不可避的に戦争やクーデターと不可分の関係にあるということがわかる。
 この背景を日本を参考にして、見てみたい。

 たとえば、戦前の日本を例にとると、226事件以降、日本は陸軍に支配されてきた。
 産業側はどんどん注文が欲しい。軍側は予算が欲しい。
 一般会計ではまかなえない。

 何が起きたかといえば、軍は勝手に動いて既成事実を作る。政府が追認して戦闘状態が拡大していく。

<参考>


なぜ日中戦争は拡大したのか?(内務省極秘文書)

 本サイトではその背景を理解する上できわめて貴重な資料を入手しました。
 日中戦争が始まった直後の1937年9月、当時の内務省が主な財界人や主要工場に戦争の影響を聞き取り調査した極秘文書『支那事変の経済界に及ぼしたる影響』です。

 この資料の発見により、当時の財界が実は戦争による景気拡大を願っていたことが判明。
 要は、政府がやむなく軍の暴走を追認したのではなく、かなり積極的に追認したのではないかと推測されるのです。

 文書は二部に分かれていて、前半は東横電鉄(現東急電鉄)の五島慶太社長ら財界の101人への、「国債」「物価」「輸出入」など6項目のインタビューが掲載されています。
 後半は、従業員50人以上の702工場・事業所に「軍需産業への転換の可能性」「原料品の騰落」など9項目について聞いています。

 まず前半部の内容を見ていくと、ここでは元日銀総裁から、日清紡や浅野セメント、シチズン時計の社長、一介の材木問屋、経済誌『ダイヤモンド』社長までありとあらゆる経済人にインタビューしています。
 財界人の大半が、関係の深い中国市場が閉ざされることで輸出不振となり、軍需物資を中心に輸入超過になると見ています。
 だから「国産品代用原料の使用」「国民の消費節約」で輸入の減少を図る必要がある、と。

 物価については、軍需物資だけでなく一般物資も確実に騰貴すると考えていました。

 具体例を挙げましょう。

 今ではあまり知られていない財界人が多いので、五島慶太の見解を引用しておきます。

 五島は国債について次のように言います。

《今後の国債発行は極めて容易にして……然れ共、日本銀行は如何にして此の国債を処分するや……金融を極度に統制し金融業者に割当引受せしむるが如き方法をとらば、各私経済は資金難に陥り、株式は低落し、物価は騰貴し、経済界は萎縮し、再度の国債消化力を減殺すべし……》

 戦費のために国債を発行するのは簡単だが、その処分をどうするのか?
 銀行などの金融業に強制的に引き受けさせると、経済力が落ちてしまう。
 だから、金融業に割り当てず、一般産業を振興させることで、私経済(=民間)において消化させるよう進言します。

 これならば、いくら公債の額が多くなっても、消化は困難ではないそうですが。
 う~む、体のいい民間への押しつけ発言ですな。

 また、輸出については、次のように言います。

《軍需資材の輸入は絶対必要なる現状に於て輸出入の均衡を得むが為めには、他の輸出入を抑制すると同時に輸出を増加せしめざる可からず。政府は此の方針の下に貿易管理を為さむとするも、輸入の大宗たる綿花は同時に輸出商品の原料なる我が国情に於て、綿花輸入を抑制する事は到底大なる期待を持つ能はず。而も事変が長期に亘れば軍需資材の輸入は益々増大すべく結局入超は必然の傾向なりと思料せらる……》

 簡単に言えば、繊維製品くらいしか輸出産品がなかったわが国では、どうやっても輸入は増えてしまうので、輸入すべきものは輸入して、輸出の増産を図ろう、そのためには軍需工業だけでなく一般産業にも資金を回しましょう、ということですが。
 なんだか机上の空論的な感じは否めませんが、まぁ他の人も似たようなもんです。

 一方、後半の工場インタビューですが、702工場のうち、

●軍需関係の有無
  ・軍需関係を持つ 218
  ・軍需関係がない 484
  (うち、将来軍需関係に転換可能 232)

●原料の騰落
  ・上がった 457
  ・下がった 36
  ・変化なし 208

●事業の将来見込み
  ・拡大する 267
  ・減少する 103
  ・現状維持 332

 などとなっています。将来事業が増大すると答えた工場は38%にも上るわけで、けっこう戦時景気を期待する声があったことも分かります。
 もちろんこれはまとめであって、実際はものすごくデータが詳細なんですよ。

 たとえば、当時あった「帝国薬莢」という銃の薬莢(弾丸)を作る会社を見てみましょう。
 社員80人のこの会社では、当時1人だけ召集されていました。原料入手は容易ではないものの、原料価格は不変で、生産品の値段も上がってはいません。ですが、生産量も生産額もともに10%アップ。当然、将来のビジネスも拡大すると予測しています。

 社員2934人の日本光学(現ニコン)では108人が応召し、影響が大としています。
 原料費も15%増で、次第に入手困難になってはいますが、生産額50%増。

 社員1461人の読売新聞では、当時42人応召していました。原料の紙代は30%上がったものの、入手は容易。
 新聞の値段も上がってはいませんが、生産量も生産額もともに4%アップ。

 生産量が減ったのは、たとえば東洋紡の王子工場、鐘淵紡績(現カネボウ)の大井工場などで、いずれも10%減。
 繊維系は、ほとんどが将来にわたって現状維持が続くと答えています。

 戦争で大打撃を受けたのは、意外にも船舶関係。
 日本郵船は燃料の高騰で採算不良と答えています。
 そして「致命的打撃」と答えたのは、中国航路だけしか持っていなかった日清汽船で、理由は全航路が停止したため。
 
 日中戦争は、こうした各産業界の思惑を併せのみ、拡大の一途をたどっていったのでした。



 それでどうなるかと言えば、「臨時軍事費」ということになるわけだ。要するに公債だ。数字が正確ではないかもしないが、日中戦争の時、5年間で200億円くらいだ。

 当時の軍部が支配しようとしたのは中国でもインドシナでもない。「日本国の予算」だ。それが国家総動員法の根幹だ。

 それで戦争に負けて、その借金はどうなったか。 ものすごいインフレでお札が紙くずになって、それでオシマイ。預金を引き出せないようにしてからこんな風にしたのだ。

 現在の産軍複合体に乗っ取られたアメリカは、ドルを刷りまくって同じことをやっている。結果、120パーセント破綻する。ここが分からない御仁は、戦前の日本の歴史を勉強したほうがいい。

 これが、ランドパワーというものの本質であろう。文民統制すなわちシビリアン・コントロールとは、このような歴史を経験した人類が到達した、「軍人統御の手段」であり、究極の内部統制なのだ。

 世情を賑わせている守屋氏の問題は、日本における「産軍複合体」の暴走の兆候と考えると、徹底した真相究明と再演防止、関係所の処分が必要と考える。アイゼンハワーが警告し、ケネディを暗殺した「産軍複合体」は人類が作り出した最凶の存在といっていい。

<参考>
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0011/list/200711/CK2007111702065109.html
問われる説明責任 守屋氏証言、食い違う双方の主張
2007年11月17日
 防衛省の守屋武昌前事務次官が15日の証人喚問で、防衛専門商社「山田洋行」元専務との宴席に、自民党の久間章生元防衛相、額賀福志郎財務相が同席していたと証言したことで、野党は追及を強め、特に現職閣僚の額賀氏に照準を定めた。久間、額賀両氏は「記憶にない」と事実関係を否定し、守屋証言と大きく食い違う。両氏は説明責任が問われている。 (原田悟)
 守屋氏の証言によると、久間、額賀両氏と元専務の宴席は別々に持たれ、額賀氏とは事務次官在任中の「一昨年ぐらい」に東京・神田の料亭で会食した。
 守屋氏は宴席の目的を、元米国防総省日本部長の「ジェームズ・アワー氏が来日した時」と説明。参加人数は「何人か集まった」とあいまいで、主催者もはっきりしないものの、料亭への到着順は守屋氏、元専務、額賀氏だったと明確に説明し「額賀氏が最初に帰った」とも述べた。
 守屋氏は久間氏よりも、額賀氏との宴席を「はっきり覚えている」と断言した。
 守屋氏は、10月29日の前回喚問では、宴席に参加した政治家を「防衛庁長官経験者」とするにとどめ、実名の公表は「その人に迷惑がかかる」と拒否。15日も途中までは証言を拒んでいたが、執拗(しつよう)な追及に折れる形で口を割った。
 議院証言法に基づく証人喚問は、証人が虚偽の証言をした場合、3月以上10年以下の懲役に処すと定めている。守屋氏の説明が虚偽なら、偽証罪が適用される。
 一方、元防衛庁長官の額賀氏は実名が挙がる前から宴席参加を否定し、16日の記者会見でも日程記録を調べた結果として「会食の形跡はない。記憶にない」と強調。「守屋氏、元専務から接待を受けた覚えはない。3人で会食をしたことはない」と明言した。
 ただ、額賀氏は、別の人たちを交えて会食した可能性は「答えられない」と言及を避け「もうちょっと調査していきたい」と述べた。
 額賀氏は、2005年に山田洋行オーナーの家族の結婚式に招待された。招待状を持参した元専務が「車代」として額賀氏側に20万円を置いていき、代理出席した額賀氏の妻が祝儀名目で全額返還している。額賀氏も元専務と面識があることは認めている。
 額賀、久間両氏の説明責任については「日程表をチェックし、自ら進んで記者会見などで説明すべきだ」(伊吹文明自民党幹事長)、「国会の委員会や会見などあらゆる機会を通じて積極的に、精密に説明することが大事だ」(太田昭宏公明党代表)と、与党からも要求の声が上がっており、両氏は対応を迫られている。

<参考>
http://npslq9-web.hp.infoseek.co.jp/sls154.html
 そして、分裂の最も大きなものは、米国における「資本と軍の分裂」であろう。
 両者の利害は第二次大戦において、米国が重要産業を全て軍事中心に振り替え、産軍複合体を樹立した時点では一致していた。
 すなわち、大恐慌以来の経済低迷を回復させる手段として、軍事への傾斜生産という方式をとり、それで景気が回復したのだ。

 しかし、戦後、この構造がアメリカを蝕んでいく。
 すなわち、不断の公共事業としての戦争がないと、産軍複合体を維持できないという矛盾に直面したのだ。
 ここに、イスラエル防衛とドル価値の担保としての中東原油利権支配という要因が絡んできたため、アメリカの国家戦略は大きくゆがんで来ることとなる。
 その到着地点がイラク戦争という訳だ。

 私が憲法9条改正に反対し、自民党政治を終わらせようとしているのは、この自民党国防族の背後の「産軍複合体復活」の危険性に気づいているからだ。

 重要な点は、この様な歴史的背景で形成された文民統制という仕組みが、政治家や官僚の腐敗により、形骸化し、結果として軍人を統御できなくなる危険性が存在することだ。

 その様な状況で軍人と産業界が手を組めば、「ベヒモス」が生まれることになる。
 ベヒモスは国家滅亡の敗戦でしか、ストップさせることはできない。
 これは、ナポレオンやヒトラーや昭和期の日本を例に引くまでも泣く、歴史が証明している。

 統治のエトスが「軍事的勝利」となった場合の恐ろしさを心底、理解する必要がある。

<参考>

 ビヒモス(ベヒーモス)、またはベヘモトと呼ばれる。
 その姿は、「尾は杉の枝のようにたわみ、腿の筋は硬く絡み合っている。骨は青銅の管、骨組みは鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。これこそ神の傑作、創り主をおいて剣をそれに突きつける者はない」(『ヨブ記』)と表されている。
 ベヘモトは本来は河馬のような姿をしていると考えられたが、イギリスの詩人ジェイムズ・トムスンが『四季』(1726年頃)で犀であるとしている。
 ルー ツとしてはインドのガネーシャ神の姿が模されて生まれたともいわれている。

<参考>
 「軍産複合体」という言葉を初めて世に広めたのは、第二次世界大戦中に西ヨーロッパ連合軍の最高司令官をつとめ、ナチスドイツを降参させた勲功で大統領になつた「アイク」 ことドワイト・アイゼンハワーである。……
 アイゼンハワーが「軍産複合体」批判の演説をしたことは、逸話として語り継がれている。
 しかし、実際にどんな警世演説だったか知る横会が少ないので、長くなるが、ここに離任演説の一部を引用しておこう──。

 先般の世界戦争 (=第二次世界大戦) まで合衆国に軍需産業などというものは存在していませんでした。
 農具の製造業者が必要に駆られて武器を作っていたにすぎなかった。(三輪注:艦載戦闘機のメーカーとして有名なグラマンワークスも、元来は農機具屋だったそうです。ワークスとは鉄工所の意味。)
 だがもはや緊急避難的な即興作業で国防を行うなどという危ういことをしている場合ではない。
 やむを得ない事情であったとはいえ、我が国は途方もない規模の恒久的な軍需産業を創りだしてしまったのです。
 そればかりか国防関係機関に勤務している人員は今や男女あわせて三五〇万人にも達している。
 我が国が軍事による安全保障に毎年費やす金額は、この国の全企業の所得総額を優に超えている。……

 でもそれが重大な問題をもたらしかねないことを、忘れてはなりません。
 なぜなら我々が汗水たらして働き、様々な資源を投入し、生計を立てるという暮らしの営みが、すべてこれに絡めとられてしまっているからです。
 我が国の社会の成り立ちそのものが、姿を変えてしまったのです。
 「軍産複合体」は、みずから意図的に追求する場合もあるしそうでない場合もあるが、正当な権限のない影響力を政府に及ぼそうとしてくる。
 こうした影響力によって政府が乗っ取られてしまわぬよう、我々は政府の各種審議会の場で″ 乗っ取り阻止″ に努めねばなりません。
 向かうべき目標をまちがえた権力がとんでもない災厄をもたらす恐れは、現に存在しているし、これからも存在し続けるでしょうから。

 この複合体の重圧によって我々の自由や民主主義の手続きが危うくなることを、許してはならない。
 そういう状況に慣れてしまったり、軽視することがあってはならないのです。
 市民社会が見識をもち、油断なく警戒を続けることで、産業界と軍が結合した途方もなく大きな防衛組織を暴走させることなく平和目的に導いていくことが初めて可能になる。
 安全保障と自由がともに十全なる発展を遂げていけるよう、そうした状況を生み出していかねばならないのです。


                            以上
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コメント
この記事へのコメント
なるほど
  陸軍軍人出身のアイゼンハウアーもまた、マッカーサー同様、米国を動かす「何か」に対して違和感を感じ、それを表明したのですね。

  金貸し屋に乗っ取られた中央銀行と、軍産複合体のマッチポンプ・・・この負の連鎖を断ち切れるなら、まだ人類は大丈夫だという気がしてきました。
  ソ連のジューコフ元帥のような英雄が出てくるしかないのでしょうか?
2007/11/18(日) 22:21 | URL | ろろ #2pDzSWe2[ 編集]
東條は死刑になるまで陸軍省官僚だった
>当時の軍部が支配しようとしたのは中国でもインドシナでもない。「日本国の予算」だ。それが国家総動員法の根幹だ。

至言です。陸軍は実質的に大蔵省(当時)主計すらコントロール下に置いたのですね。226によって。

だからこそ、海軍に予算を持っていかれることを恐れ、「竹やりだけでは間に合わぬ……」の記事に怒髪天を突き、40歳過ぎていた記者を徴兵するという暴挙をやったのでしょう。

>私が憲法9条改正に反対し、自民党政治を終わらせようとしているのは、この自民党国防族の背後の「産軍複合体復活」の危険性に気づいているからだ。

これも皮膚感覚としては本当によくわかります(「理解してねーだろ」と孔明先生や管理人が仰るとすれば、そのとおりかもしれない)。私が表題に「陸軍省官僚」と書いたのは、東條一派(辻政信もおそらくそう)が完全に「軍人」あるいは「兵隊」から遊離した、今で言う防衛賞内局の如き存在と考えれば、当時の不可解な動きが不愉快になるほど合点がいってしまうからです。

それで、昨今のイヤな風潮として、殉職公務員がやたら「二階級特進」することです。イラクで暗殺された奥参事官は殉職して「奥大使」に成りましたが、それによって本当の当時の駐イラク日本大使は実はイラクに赴任しておらず「弾の飛んでこない」東京でのうのうとしていたといった事実が忘れ去られています。

こんな状態で「憲法9条」のタガが外れれば、自民党防衛族の背後の軍産複合体の暴走に、全く歯止めがなくなってしまうでしょう。

2007/11/18(日) 23:08 | URL | のらくろ #-[ 編集]
日本人は前の戦争で戦争なんて
勝っても偉くない、と学びましたが。
それが永遠の心理として国民に
認識され続けていくとよいですね。
2007/11/19(月) 00:34 | URL | nanasiさん #-[ 編集]
最大の反戦勢力は軍人であり最大の好戦勢力は実は資本家ということです。ヒトラーに資金提供したのも彼らです。ここが見えないと20世紀はわかりません。実は30年戦争から現在まで同じことの繰り返しです。

you tubeですが、「桜花」を題材によくできたアニメですのでご覧ください

http://scaryfilm.blog101.fc2.com/blog-entry-1099.html
2007/11/19(月) 00:59 | URL | 孔明 #-[ 編集]
大和特攻です。これも、ぜひご覧ください

http://www.youtube.com/watch?v=pHdV2w0ZNA0&feature=related

大和バトルシーン
http://www.youtube.com/watch?v=CUl1mAjTTb0&feature=related
2007/11/19(月) 01:05 | URL | 孔明 #-[ 編集]
> 孔明さん
> 最大の反戦勢力は軍人であり最大の好戦勢力は実は資本家ということです。

至言ですね。
2007/11/19(月) 16:55 | URL | 喜八 #WE/hy34.[ 編集]
戦争始まるみたいよ
NY原油、一時99ドル台 時間外取引で最高値更新
http://www.asahi.com/business/update/1121/TKY200711210034.html?ref=rss

日本は何の対策も打ってないね。戦争は起きないという夢に浸っていたからね。
2007/11/21(水) 14:01 | URL | masafi #HfMzn2gY[ 編集]
へえー
>戦争始まるみたいよ

  どことどこのですか?
2007/11/21(水) 23:30 | URL | ろろ #2pDzSWe2[ 編集]
>ろろ様
そー言う「一言だけ言う人」に関わってはいけません。
彼等は「偉い人」から教えられた事を無反省に口にするだけの人ですから。
大方巨大掲示板の政治板からでも拾って来たネタでしょw

朝鮮人がコピペをした文章について突っ込まれたら黙るのと同じです。
自分の脳みそで考え、自分の拳骨で相手をぶちのめす、そう言うリアルな人間ではないのです。

>喜八様
しばらくブログを休止なさるのですね。
復帰をお待ちしております。

>孔明様
最大の反戦勢力は軍人。至言です。
私は皆に本当の敵を見て欲しいです。

軍隊は政治と外交の道具ですが、それが「私」の利益に使われ続けてきたのが20世紀だったと思います。

>のらくろ様
いや、我々の言わんとしている事はまさにそう言う事ですよ。
私、貴方の様に感覚がキチンとした人は大好きです。
少なくとも様々な事象を理解しようとしている所が好きです。
貴方の様な方の存在を目にすると、私などは少しだけでも希望が蘇るのを実感してしまいますよ。
2007/11/22(木) 21:10 | URL | 三輪耀山 #X.Av9vec[ 編集]
北野君が日本に帰ってきました。
小学館のSAPIOで記事を書いてますが最近の江田島氏は大戦争になる中東について触れていませんね。
防衛省のごたごたも含めて何の裏もないのでしょうかね。

●え”~中ロ同盟が米幕府を滅ぼす???

仮想敵同士だった中国とロシア。
アメリカの執拗ないじめとカラー革命に激怒したプーチンは、ついに東の
ジャイアントパンダ(中共)と提携することを決意します。

日本人が知らないうちに(悪の?)薩長同盟は成立し、米幕府体制は崩
壊にむかいます。

素人目にもアメリカの覇権後退が明らかになってきました。
その真因を、中学生でもわかるように解説する(豊富な資料つき)
http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/109179137.html
2007/11/23(金) 02:09 | URL | 長宗我部 #qjKXimFw[ 編集]
>長宗我部さん
ああ、ようやくわかった。
なるほど、あちらさんでしたか。

誤解招きますから、短文の謎々調はやめた方が良いですね。

ところでロシアは確かにルーブルを「旧ソ連領内通貨」として流通させたい事でしょうね。
今の所その裏づけになるものがないんですが。(資源なんてのは金輪際通貨の裏打ちになるもんではありませんしね。)

で、アメリカが衰退して一番困るのは何処なのか?中国ですよね。
多分、中ロが組んでってパターンはありえないと思います。
アメリカがこけたら中国は株式も輸出も速攻で死んでしまいますから。
2007/11/23(金) 08:32 | URL | 三輪耀山 #X.Av9vec[ 編集]
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2007/11/23(金) 11:30 | | #[ 編集]
http://groups.google.com/group/asyura_bbs1/msg/7bba381f2e460608
>ブラックハウスのマクレラン元大統領報道
>官が暴露本を出版してブッシュとチェイニ
>ーの犯罪行為を暴露しているようです。
>さらにブッシュとチェイニーの刑務所行き
>が近づいた。


http://sankei.jp.msn.com/world/america/071122/amr0711221804011-n1.htm
此れは上の本だろうが
チェイニー等もハワード退陣で追い詰められ
イラン戦を画策して
逮捕と言う事に成るのだろうか 
2007/11/23(金) 11:32 | URL | 某研究者 #n08XGfOg[ 編集]
世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL181
                           
江田島孔明


下記記事に見られる様に、ドル価値の下落が誰の目にもはっきりしてきた。今回は、日本史を通じて、「同盟国崩壊」の影響と歴史的法則を検証しいてみたい。

<参考>
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http://www.asahi.com/culture/update/1107/JJT200711070002.html
スーパーモデル、契約料ユーロで要求 ドル下落恐れ
2007年11月07日08時14分
 世界で最も美しくて金持ちとされるスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(27)がドル相場のこれ以上の下落を恐れて、ヘアケア商品の広告出演契約にあたり「ドルではなくユーロ建てにして」と要求したもようだ。英メディアが6日伝えた。
 ブンチェンさんはブラジル人で、6月までの1年間の稼ぎはざっと推定約3000万ドル(約34億円)。米家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)との間で広告出演契約を結んだが、契約料をドルで受け取るのを嫌い、ユーロを要求したという。P&Gは「契約の詳細は明かせない」としている。(時事)
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まず、日本にとっての、「同盟国崩壊」とは、現在にいたるまで、その歴史を通じて3回発生したイベントだ。

最初は、7世紀の百済崩壊であり、二回目は16世紀のスペイン・ポロトガルの対英敗戦であり、最後は第一次世界大戦を通じた大英帝国衰退だ。


まず、百済崩壊について、天智天皇は百済復興を目指して、唐新羅連合と戦った。白村江の戦いだ。次に、スペイン・ポルトガルが英国・オランダといった新教国に敗れると、家康は、パートナーを新教国へとチェンジし、鎖国へと道を開いた。最後に、第一次大戦を通じ、英国の衰退が顕著になると、日英同盟破棄から、日本は孤立し、第二次世界大戦へと突っ走った。

このような、同盟国崩壊は、時の政権の外交政策に大きな影響を与え、「政権のあり方を根本的に規定」したといってよい。私のコラムの根本的命題は、日本における政権とは、常に、このような「ランドパワーとシーパワー」の影響下(be subject to)によって成立し、規定されるという地政学の真実を明らかにすることだ。私が見るところ、古代から中世にかけては、ランドパワーの影響が強く、近世以降はシーパワーの影響が強いといえる。

ここで、「シーパワーの支配」とは何であるかを考えてみたい。

よく言われるように、ランドパワーの支配が土地支配、すなわち物件的支配を意味するのに対して、シーパワーの支配とは債権的支配を意味する。

<参考>
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いかがであろうか。アダム・スミスの言う「何も知らないし、出資限度以上の責任を負わない株主」と「いざとなったら辞めればすむ、有限責任の取締役」の組み合わせが、結果として無責任体制から粉飾や詐欺を生む可能性について、ライブドアやカネボウあるいは米国のEnronやWorldComの事例を知っている我々は、アダム・スミスの警句を素直に受け取れるのではなかろうか。
 ではなぜ、このような側面をもつ株式会社が現在にいたる、シーパワーの生み出した資本主義の根源として機能しているのか。それは、シーパワーというものが本質的に詐欺、バブル、インフレといったものを内包しているからだ。むしろ、このような負の面と、経済発展は表裏一体というべきだろう。
 資本主義にバブルはむしろつきもので、今後も第二第三のライブドアは出るだろう。「債権」や「資本」というのはそういうものだ。むしろ、商売とは、「相手を騙して高く売る」ということを本質的に内包し、そのために、ランドパワーの世界、例えば、カソリックや儒教の強い地域では穢れとされ、低い評価しか与えられない。

 江戸期の日本において、士農工商という序列があったのはそのためだ。英語で利益や金利を意味するInterestには「間にある」つまり「どっちつかずのいかがわしいもの」という意味が内在されており、カソリックはこれを認めていなかったが、これを認めたところから資本主義は始まったといえる。
 ちなみに、イスラム教では、今日に至るまで、金利をいかがわしいものとして、認めていない。日本では江戸期において、このようないかがわしい金利をとる金貸しは検校という制度を設け、盲目の僧侶にだけ認められていた。一種の社会福祉政策だ。
 はっきり言おう。シーパワーとはいわば、「債権的支配」を目指すもので、金貸しを合法化し、金利の取得や株式の発行そして通貨の発行にいたる、いわゆる「資本主義」を発明した海上交易者であり、その原点は多国間に点在して拠点をもっていたユダヤ人であり、その基本書はタルムードなのだ。
 私はかって、ランドパワーの基本書は「孫子」だといったが、シーパワーの基本書は「タルムード」だということを特筆したい。タルムードには、「非ユダヤ人は騙してもよい」と書いている。これが、金利や為替そして株式会社に繋がるシーパワーの原点だ。

 問題は、日本はこのようなタルムード的支配を、16世紀に受けかかり、それを秀吉や家康は排除した訳だが、そのため、シーパワーの根幹を成す、「資本市場」が極めて未整備であり、むしろ、内政は一貫してランドパワーそのものだということだ。
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すなわち、シーパワーの支配とは、金利や株式を通じた支配とイコールであり、本質的に刹那的であり、インフレやバブルを内包する。「虚業」といえる。




<参考>
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まず、資本主義は行き過ぎると、植民地化や奴隷貿易、戦争のビジネスモデル化、そして環境破壊を生む。利益が上がれば何をしてもいいというわけだ。しかし、最大の問題は資本集積が富の偏在から社会の二極化を生み、結果として社会の発展が阻害され、衰退するということだ。
 これは、株式市場のバブルから、結局は経済の衰退を生んだ、かってのオランダやイギリス、そして80年代のM&A多発から製造業の衰退を招いたアメリカを思い出していただければ理解できるだろう。資本主義の問題点は、価値を生む「もの作り」や「生産」より、「投機による一攫千金」を狙う風潮が生まれ、それは、一部の富裕者と圧倒的多数の貧困者をもたらし、結果として、社会の活力の喪失から経済衰退を生むということだ。端的に言えば、現在のアメリカをご覧いただければ、どのような状況かお分かりだろう。

<参考>
 
第53回「『UFJ買収劇』は本格M&A時代の幕開けか」
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/yanai.cfm?i=20051116nai53c9&p=2
 第1に、欧米での企業買収は経営者にとって命がけの仕事である。80年代以降、アメリカではタイム・ワーナー事件のような激烈な買収が多発し、多くの企業が悲哀をかこった。比較的最近で印象的だったのは、99年に実現した製薬会社ファイザーとランバートの合併のケースだ。
 99年11月、ランバートのデビング会長はアメリカン・ホーム・プロダクト(AHP)との合併を発表した。実質的な買収であり、デビング会長は世界第2位となる製薬会社のCEOポストをほぼ手中にしてほくそえんだ。
 しかし、発表のわずか1時間後、ライバルであるファイザーが突如ランバートに買収を仕掛けた。その後ランバートとファイザーは激しい攻防戦を展開したが、最終的にランバートの取締役会は破格の買収条件を提示したファーザーへの売却を承認した。
 あきらめ切れないデビング会長は、プロクター&ギャンブル(P&G)のヤーガー会長にAHPとの3社合併を提案した。だが、この話が表面化したとたんP&Gの株価が急落し、ヤーガー会長はただちに合併交渉中止の記者発表を行った。
 かくしてデビング会長は最後の望みをたたれ、非情にも自分の会社から追い出された。買収するはずが買収されたという予想もしない結末だが、ファイザーはとうの昔からランバートの買収を検討していたはずだ。欧米企業のトップはつねにM&Aの攻防戦略を考えているといっても過言ではない。
 合併に伴う株価下落が命取りになることも多い。もともと欧米では株価が急落した企業は買収の餌食になりやすいが、特に合併の失敗による株価下落のダメージは大きい。
 99年10月、アメリカ長距離通信会社のワールドコムは携帯電話会社のスプリント買収を発表した。当時史上最大のM&Aとして話題になったが、結局欧米の独禁当局の承認を得られず合併は白紙撤退された。
 その直後からワールドコムの株価は暴落し、一転してライバルのベルサウスやドイツ・テレコムなどから買収を狙われる身になった。時価総額が「お買い得」の水準まで落ち込んだからだ。
 結局ワールドコムは買収こそ逃れたものの、急成長路線にブレーキがかかって経営悪化の道をたどった。そして3年後に巨額の粉飾決算が露見して、史上最大の破産に追い込まれたことは周知のとおりだ。
 いずれにせよ欧米の企業買収は、仕掛ける方も仕掛けられる方も企業の存亡をかけた血みどろの闘いであり、「平和な時代」が長かった日本のビジネスマンがこれを実感することは難しいだろう。

 第2に、欧米企業の買収劇で展開される戦略、戦術もきわめて多様で複雑だ。攻撃する企業にとっての基本戦術はベア・ハグ、株主の委任状獲得、TOBなどだが、戦況に応じてさまざまなバリエーションを繰り出してくる。
 対する防衛サイドもいわゆるポイズン・ピルを発動するほか、白馬の騎士(友好的企業に買収してもらうこと)、資本再編、従業員持株会への株式発行、防衛的企業買収(タイムがワーナーを買収したのもこのケース)、パックマン(買収を仕掛けた企業に対する逆買収)など目もくらむほど多様な戦術が開発されてきた。
 このような状況が、長期的視点に立ったR&Dや製造ラインの破壊につながり、結果として家電や繊維、鉄鋼で産業の衰退が起こり、唯一残っていた自動車についても、昨年、アメリカの代表的な自動車製造会社であるジェネラルモーター(GM)とフォードの格付けが引き下げられた。
この2社が倒産しそうであると言うわけではない。しかし、両社の格付けが投機的水準に引き下げられたことは驚くべきことである。安心して投資をする対象とするには不的確な会社になったと見られるからである。
 自動車と言えばアメリカではもっとも重要な産業と考えられていた。GMの代表的な車種であるキャディラックは大きくて立派で高級車としての信頼性があり、他国の車では真似ができないとされてきた。それを製造するGMはアメリカを代表する世界一の自動車生産会社であると自他共に認めてきたものである。そのもっともアメリカ的なGMの評価がこれほど下がることは到底想像もできなかったはずである。
 このような製造業の衰退と経済のマネーゲーム化が結果として社会の二極化と大幅な貿易、財政赤字を生じ、米国からの資本逃避さらにはモンロー化を生んでいる。アメリカは既に自由の国ではなくなり、閉鎖的ランドパワーに回帰している。

<参考>
 サステナブルではない米・経常収支赤字
http://www.president.co.jp/pre/20060417/002.html
 「今、世界経済は「グローバル・インバランス」にあると言われている。その最大のインバランスは、アメリカの膨大な経常収支赤字である。図にあるように、アメリカの経常収支赤字は、1992年より徐々に拡大し始め、90年代後半にはその拡大を加速し、2005年には対GDP比で6%強という極めて高い水準に達している。アメリカのGDPがおよそ12兆ドル(およそ1400兆円)であるから、その6%は約0.7兆ドルにも相当する。また、この拡大する経常収支赤字は外国からの借金によってファイナンスされていることから、対外債務がこの勢いで累積し続け、発散するのではないかという危惧もある。この意味でアメリカの経常収支赤字はサステナブル(持続可能)ではないと結論づける分析も見られる。
 図を見ると、アメリカは過去においても大きな経常収支赤字を抱えたことがある。レーガン大統領の時代、82年から経常収支赤字が徐々に拡大し、85年から87年にかけて経常収支赤字が対GDP比で3%強の水準に達した。当時、この経常収支赤字の大きさは極めて大きいと認識され、85年9月のプラザ合意を通じてドルの過大評価に対する調整が行われた。85年から87年にかけてドルの価値(実質実効為替相場)は150の水準から100まで3分の1も減価した。この水準と比較すると、現在のアメリカの経常収支赤字が深刻な水準に達していることが明らかとなる。このような深刻なアメリカの経常収支赤字に対して第2のプラザ
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この様に考えると、サブプライム問題の本質とはシーパワーに内在する資本主義の根幹たる、「バブル崩壊」であることが分かる。国際金融資本は、同じ手をベネチア、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカと繰り返してきたのだ。そして、うまみがなくなると、河岸を変える。その時期が到来してきた。過去500年の世界史とは、その繰り返しだ。

<参考>
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http://www.dir.co.jp/publicity/column/070322.html
サブプライム問題の本質






2月27~28日の世界同時株安。当初、要因は「上海の株価急落」とされ、次いで「米国の景気失速懸念」へと移った。最後には「日銀の利上げ」が犯人扱いされる日がやって来ようが、現在は「米国のサブプライム住宅ローン」が問題視されている。

サブプライム問題の本質は二つあろう。2003年後半から2005年にかけて、米国では好景気と銀行間の競争激化により、与信基準が大きく低下。一大住宅ブームが沸き起こった。問題は、この時、全く異なる二つのバブルが生じたとみられることである。

一つは巷間言われている通り。文字通りのサブプライム層(信用履歴の低い借り手)、つまり、所得が少ない、もしくは返済を遅延したことのある層に、過度に貸し込んでしまったことである。米国では従来から、信用履歴が低くても高い金利さえ支払えば、ローンを組むことが出来た。それがバブル化したのは、金融機関がリスクの大きい住宅ローンを推進したためである。たとえばARM。変動金利だが、当初数年間は低い固定金利が適用されることが多い。たとえばI/O。インタレスト・オンリーの略で、当初は金利のみ支払い、数年後に元本の返済が始まる。そして両者の組み合わせ。さらにはネガティブ・アモチゼーション。当初、金利さえも支払わない。ただし、金利がかからない訳ではなく、その間は金利分だけ元本が増えていく。こうしたローンの多くは3年程度経つと返済額が急激に膨らむ仕組みとなっている。今はブーム初期の2003年後半に住宅を購入した人に、跳ね上がる返済額に対処できないケースが出始める時期なのである。その意味では、住宅市場がピークをつけた2005年から3年後の2008年まで、問題は悪化し続ける可能性が高い。
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重要な点として、アメリカの衰退が明白になったとき、世界の国々がどの程度ドルを基軸通貨として信認するかである。ユーロにもかなり問題があるが、リスク分散のため、少なくとも、ユーロをもう一つの基軸通貨としたいと思うのがむしろ自然な動きと思える。

 ここで、考えなければいけないのは、「二つの基軸通貨」が併存する時代は、おそらく国際経済の激動期になるだろうという事だ。二つの基軸通貨を多くの国がそのときの情勢に応じて使い分けようとスイッチの転換を繰り返すことによって、経済の振幅が大きくなり、不安定性が増すと思われるからである。

 世界が二つの基軸通貨併存を経験したのは、20世紀初頭から前半にかけての、ポンドとドルの併存の時代であった。その時代に、世界は大恐慌と共産主義革命を経験し、そして二つの世界大戦を経験した。そうした悲惨な経験を我々が繰り返さないで二つの基軸通貨の併存を許容できるか。それが問われる時代が始まったようである。

 要約すると、我々が、所与の条件と考えている自由貿易とは実は、例外的なもので、「英国や米国の全盛期と教科書の中にしか存在しない」ということだ。このように、世界は基軸通貨の観点からも、激動期に入ったことが検証できる。より根本的には、従来、国家が発行してきた通貨より、通信やコンピュータの発達によってもたらされた電子マネーやクレジットカード、マイルやポイントに代表される「通貨代替物」が経済の主役になろうとしている。
 これは国家ではなく、コンビニや通信業者や各企業がそれぞれ通貨を発行し、銀行ではなく各企業が決済機能をもつことを意味する。こうなると、真の基軸通貨はネットの中に存在するのではないか。今後の基軸通貨はドルやユーロではなく、リアルな貨幣と電子マネーの争いになり、ほぼ間違いなく、後者が勝つだろう。まさに、「ネットを支配するものは金融も支配する」ということだ。

基軸通貨の喪失は、世界を物々交換の時代へと逆戻りさせ、世界貿易は間違いなく縮小していく。それ以上に、応仁の乱により、室町幕府の衰退が戦国時代を生んだ様に、世界は戦国時代に突入するだろう。私が自民党の終焉を予測するのも、そこに根拠がある。幕府任命の守護は、下克上により、実権を奪われていく。世界は、「マルスの時代」に入ったのか。そうなると、国家も、個人も、企業も武装しなければなくなる。まさに、「日本再軍備」は待ったなしだ。

私は、日本が独自の海軍力を保有することを条件に、基軸通貨国となる可能性を、数年前から指摘している。

<参考>
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基軸通貨国の条件
 基軸通貨とは、国際貿易決済の共通通貨という意味であり、近代以降、英国のポンドと、米国のドルしか存在していない。基軸通貨国の条件とは何であろうか。重要な点は、以下のとおり。
 1、自由貿易体制をとり、国際貿易に占める比重が大きく、主要な買い手である。
 2、宗教的、経済的自由が有り、世界中にネットワークがあり、情報が集まり、商取引の舞台となる。
 3、通貨価値の裏づけがある。(かっては金、現在は軍事力)
 4、最大の取引商品である、原油の決済に用いられる。
 5、世界の海上交易の自由を保障する海軍力をもつ。

 これらの諸点について、現在のアメリカは(5)の条件を除き、失いつつあることがわかる。中東戦争の継続により、陸軍優先となり、いずれこの条件も失われていくだろう。原油決済がユーロに移行したらアウトだという意見もある。
 ブッシュ政権は、この基軸通貨の維持に関心を有しておらず、その意味で国際金融資本とは利害の一致がない。すなわち、国際金融資本はアメリカドルを見捨てる覚悟を決めたということだ。それが、上述のグリーンスパン発言の真の意味だ。

△ ユーロの脆弱性
 ユーロはドルを代替する基軸通貨となれるだろうか。
 私はそうは思わない。何故なら、EU自体に不安定要因が非常に大きく、統一憲法も批准されないだろうし、むしろ分裂の可能性がある上に、本質的にランドパワーつまり、ローカルパワーであり、世界の貿易の守護ができるほどの海軍力を有していないからだ。中ロとの反米を目的とした連携も、いつまで持つかわからない。
 ランドパワー同士の同盟は容易に破綻するのは世界史のセオリーなのだ。今後も独仏が足並みを揃え続けることができ、EUの分裂がないと仮定しても、ユーロはあくまで、欧州とその周辺国で使われる地域通貨にとどまるだろう。

 <参考>
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000091303
 「日本の戦前の半島経営が在日朝鮮人の問題を生み、欧州の植民地支配は移民問題を生み、アメリカの西海岸支配はヒスパニック系住民の大量流入を生んだ。アメリカは21世紀にはヒスパニック国家になるだろう。このようにランドパワーを支配すると、短期的にはうまくいっても、やがては彼らに国を乗っ取られる。最初の例が古代ローマの拡大だ。EU拡大も同じ轍を踏む。EU拡大をみてもわかるが、ランドパワーは土地や人口の増大、ハートランド志向を本能とする。
 EUは近代そして現代の価値が「情報支配」にあることを忘れ、ランドパワーの落ちた罠におちることが明白だ。重要な点として、このような地政学的対立の最前線である東欧を長期間支配した帝国はかって存在したためしがない。EUはその最初の例になれるだろうか。甚だ疑問である。」

 <参考>
 ウクライナ大統領選で親露派が当選したことにより、ロシアの「ソ連回帰」がより鮮明になるだろう。5000万のスラブ系住民と豊富な資源、黒海を通じた地中海および、中近東へのアクセスをもつこの国がロシアと組んだことの地政学的影響は、ブレジンスキーもその著書”The Grand Chessboard”のなかで述べてるように、非常に重要だ。ロシアがソ連の旧領を回復する上でウクライナは最も重要な拠点だからだ。私にはプーチンはスターリンもしくはヒトラーの再来のように見える。EUは対露政策を根本的に見直すべきだ。現ロシア指導者のほとんどがソ連時代のKGBの生き残りであり、赤の広場にいまだにレーニン廟が安置されていることの意味を考えたほうがよい。

△ 大統領府突入も、実力行使警告=首相は和解呼び掛け-ウクライナ情勢緊迫
 【キエフ22日時事】ウクライナ大統領選挙の決選投票で親ロシア派のヤヌコビッチ首相が当選確実となったことに反発する野党指導者、ユシチェンコ元首相の陣営は22日夜、首都キエフ中心部で10万人規模の集会を開き、23日に緊急招集される議会が選挙結果見直し措置を取らない場合、大統領府への突入も辞さないと警告した。同陣営は「23日が決定的な日になる」とし、選挙結果修正を目指して街頭行動を繰り広げる構えを示した。
 これに対し、ウクライナの検察当局や内務省、情報機関は22日夜、「あらゆる不法行為を断固かつ早急に終了させる用意がある」と警告する共同声明を発表。ウクライナ情勢は衝突の恐れもある緊迫した段階に入りつつあり、一両日がヤマになるとみられる。
 一方、ヤヌコビッチ首相は同日夜、選挙後初めてテレビに登場して演説、国民に「和解と団結」を訴えるとともに、「バリケードを築くよう扇動する政治家は理解できない」とユシチェンコ氏を非難した。(時事通信) 11月23日9時1分更新

△ 基軸通貨は円
 ドル以降の基軸通貨として、円の可能性を考えてみたい。日本はかって、円経済圏をアジア諸国において作ろうとして、アメリカに阻止されたことがある。1998年10月、アジアの通貨・経済危機に際して、日本政府が300億ドル規模の支援を行うことを決めた(宮沢構想)が、この第一次支援枠はその後半年間に総額の半分を超える166億ドルが消化され、アジア諸国の不況からの脱出に貢献した。宮沢蔵相はさらに、五月のAPEC蔵相会議の場で、アメリカ・世界銀行・アジア開発銀行等と協議して、アジア各国の国債を保障し、政府の資金調達を支援する構想を示した。その際、宮沢首相はサマーズに、「アジアの貿易を守護しているのは第七艦隊だ!!」と啖呵を切られ、円圏の樹立は沙汰やみとなったという。
 この言葉の真の意味は、「基軸通貨国は、自由貿易の守護のため、制海権を保持できる、最強のシーパワーすなわち大海軍国でなければならなければならない」だ。
 考えてみれば、かっての英国も、そして戦後の米国も基軸通貨国は「最強の海軍国」でもあった。そして、日本に欠けている条件は、まさに、この点のみである。しかし、最近、この点に関して、大きな事件がおきた。

△ 中国海軍潜水艦領海侵犯事件の意味
 いうまでもなく、11月10日に発生した、中国海軍の領海侵犯事件である。この事件の意味することについて、マスメディアにおいて語りつくされてる感があるが、私がみるところ、非常に重要な点が、意識的に報道されていない。それは、一言で言うと、「海上自衛隊+第七艦隊と中国海軍とでは、その能力において、「月とすっぽん」以上の格差があることを全世界に知らしめたということだ。  
 一部の軍事関係者の間では常識であったものが、あまねく全世界に証明されたということ。これは、現在の海戦の勝敗というものが、潜水艦の優劣によって定まるということを知っていれば、中国海軍の「最新鋭原潜」が、その出航から帰港まで、全てを日米の監視下におかれたということの意味は重要だ。
 中国と日米が台湾や尖閣を巡って開戦した場合、その秘匿性のなさから、有事において全く使い物にならず、開戦数時間で全滅させられるということを意味し、中国海軍が目指す、グアムまでを射程にした、1000海里防衛構想など、「夢の又夢」だということだ。これは、要するに、実質的に中国による台湾侵攻の「絶対的不可能」を世界にさらした結果といえる。
 これは、別の見方では、東シナ海の制海権は米軍の情報網があれば、海上自衛隊のみで十分確保できることを意味する。
 つまるところ、今回の潜水艦事件というものは、日露戦争における、英国の情報を得て、完全勝利した、日本海海戦と同じような意味があったのだ。はっきりいえば、今回の潜水艦事件が米軍の通報によって海上自衛隊が動いた点を考えると、アメリカの日本に対する「仮免許卒業試験」であり、日本はそれを高得点で合格したのだ。
 ここがわかっている世界の海軍関係者、市場関係者さらに、ASEANや香港、上海、台湾は今後、なだれをうって、日本につくだろう。この期待にこたえなければならない。

△ 日本単独による制海権保持
 さらに、さかのぼって、北朝鮮工作船の海上保安庁による撃沈以降、「米軍の好意的中立(情報提供)の下、マラッカ海峡以北の制海権は日本海軍で確保する」ということが日米の了解事項であり、今回の事件はその実地演習という意味もある。これは、長期的に見た場合、アメリカのアジア撤退への準備とも言える。

△ 基軸通貨の条件
 日本に唯一足りなかった、自由貿易体制の守護者として「制海権確保」の条件がそろえば、かっての宮沢構想では、民主党のアメリカによってつぶされた円経済圏であるが、国際金融資本がブッシュ政権を見限り、本当に東京に拠点を移し、円を基軸通貨にする条件がそろったといえる。世界の投資家もそのように判断したらしく、円が上昇に転じた。

△ NY円大幅反発、一時4年8カ月ぶりの102円70銭
 19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅反発。前日比1円10銭円高・ドル安の1ドル=103円10―20銭で取引を終えた。グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長が米経常赤字の持続可能性に懸念を示したことから、円買い・ドル売りが優勢となった。
 19日朝、グリーンスパン議長はドイツのフランクフルトで講演し「現在の米国の経常赤字の規模を考えると、いずれドル資産への投資意欲は減退する可能性がある」と警告した。為替介入の効果にも疑念を示したことから、対主要通貨でドル売りが加速。円相場は一時102円70銭と、2000年3月以来ほぼ4年8カ月ぶりの高値を付けた。米政府が経常赤字削減のためにドル安を容認するとの思惑も、ドル売りを誘った。
 ただ、ベルリンで開催中の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明や、来週予定される米中首脳会談の行方を見極めたいとの見方も多く、午後にかけて円はやや上げ幅を縮めた。原油先物相場の急反発も、日本経済への悪影響の懸念から円の上値を抑えた。この日の円の安値は早朝に付けた103円76銭だった。
 円は対ユーロで4日続伸。前日比75銭円高・ユーロ安の1ユーロ=134円25―35銭で終えた。円は対ドルで売られたのにつられ、対ユーロでも売りが膨らんだ。
 ユーロは対ドルで反発。前日終値の1ユーロ=1.29ドル台後半から1.30ドル台前半に上昇した。グリーンスパン議長の発言を受けてユーロ買い・ドル売りが優勢となり、ユーロは1.3070ドルまで上げ幅を拡大する場面もあった。
〔NQNニューヨーク=千田浩之〕

△ 通貨の裏づけとしての「環境」
 当たり前のことだが、通貨はそれ自体では、ただの紙切れの証文でしかなく、裏づけが必要だ。その裏づけは、かっては金であり、ニクソンショック後は、アメリカの軍事力であったといえる。ドル暴落以降の基軸通貨国の裏づけとは何であろうか。金やレアメタルについては、掘削技術や調査技術の進歩により、実は希少性に疑問があるという説もある。よって、裏づけとはなりえない。海軍力を含む軍事力の重要性は今後、増すであろうが、私は、それに付け加えて、通貨の裏づけとして「環境」をあげたい。
 つまり、水を含む地球環境について、今後、人が生きていける地域は限定されていくということだ。この点、日本は今年の台風の多さを考えても水不足はありえない。台風の犠牲者には気の毒だが、旱魃より淡水の補給でもある台風のほうが望ましいということを知るべきだ。更に言えば、少しでも海外で暮したり、仕事をした経験がある人は、日本人の温和な性質に裏打ちされた民度の高さ、勤勉さ、町の綺麗さ、分裂や内乱の心配がない安定した政情等、「社会環境」の面で世界で最高の国だということを理解してもらえるのではないだろうか。日本人は平均寿命、平均知能指数ともに世界最高なのもこのことを裏付ける。このことに、白人を含む世界中の人間が気づきだしたようだ。21世紀の地政学は、この環境の観点から構築されなければならない。
 今後、分裂と内乱を迎える、ユーラシア全域(主に中国)と米国からの移住希望者は急速に増えるだろう。これら希望者を国益の観点から「選別」していくことが必要だ。イギリスやアメリカがシーパワーとして発展できたのは、大陸欧州で宗教的迫害を受けたユダヤ人を多数受け入れたからだ。
 日本も真にシーパワーを目指すなら、国籍に拘らず、高度な技術をもった優秀な人材を受け入れる必要もあるだろう。逆に、単純労働名目の移民受け入れは古代ローマ帝国がゲルマン人に飲み込まれたようなるので、反対だ。中国やインドの優秀な人材は国を捨て、日本を目指している。シーパワー戦略において、彼らとどう向き合うか、今後の重要な課題だ。

 近未来を眺望すると、ユダヤ系、中国系、インド系の最優秀の人材は、日本人の勤勉性、均質性とあいまって、日本を舞台にして、かっての大英帝国のようなシーパワー戦略を展開していくと考える。私は、彼らとの交流を通じ、この確信を得た。
 特に、上海出身の親日派のエリート層をどうやって遇していくかが、非常に重要になる。この点に関して、次回はシーパワー戦略として、北京と上海の対立、内部分裂を述べてみたい。
 六本木ヒルズに代表される東京の変貌(摩天楼化)も、この観点で考える必要がある。
 通貨としての円を、この世界最高の自然や社会環境をもつ「日本への移住権」と考えると、円の将来性は「買い」となる。
 確かに、日本は自国民への公的債務が1000兆あるが、地球環境問題に比べれば、些細な問題だ。映画”The Day After Tomorrow”をご覧になった方はお分かりだろうが、アメリカからメキシコへ避難する際の条件は「対米債務棒引き」だったのだ。債務など、地球環境悪化の前では、その程度の意味しかもたない。
 環太平洋連合の基軸通貨は「円」となるであろう。 以上
(江田島孔明、Vol.28完)
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                                   以上
2007/11/26(月) 01:33 | URL | nanasiさん #-[ 編集]
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